あなたがタクシードライバーへ転職したいと思った時に、業界最大手の「日本交通」は候補の一つに上がってくるのではないでしょうか。ですが、「日本交通のタクシードライバーは本当に稼げるのか」「実際に働いている人の生の口コミが知りたい」と思っている方も多くいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、多くの求職者の転職を成功に導いてきた「転職.jp」の編集部が、日本交通株式会社の評判や口コミを調べるべく、実際の利用者563人に独自アンケート調査を行いました。その結果判明した、驚愕の事実を解説していきます。
- 日本交通は車内に防犯パネルを設置していないので危ない
- 理にかなっていない教育制度がある
- 本社移動で給与が下がる可能性が高い
- もっと仕事をするように頼まれる場合がある
- 「営業所」ごとの差が大きい
結論から言うと、日本交通株式会社はおすすめできません。「ドライバーを保護する体制が整っていない」「体育会系で上下関係が厳しく、気が休まらない」などといった悪い口コミや評判が多く見られました。
そのため、「給料アップ・キャリアアップを目指したい方」「勤務環境が整っている会社で働きたい」という方は日本交通株式会社よりも別のタクシーサイトでの求人探しをおすすめします!
他のタクシー会社は「時間の融通がきく」「給料・福利厚生が充実している」「アットホームな環境で働ける」など日本交通にはない魅力がたっぷり詰まったタクシー会社が多々ありますよ。
日本交通株式会社の特徴
「日本交通株式会社」は90年以上の運営歴がある最大手のタクシー会社です。東京のみならず大阪でも事業を展開しており、成長率、売上、規模などにおいて業界第1位となっています。
そんな日本交通株式会社の特徴、評判、口コミなどを見ていきましょう。冒頭でも述べた通り、トータルで考えると「利用者からの口コミや評判はいいものの、社員として働くのはおすすめできない」です。
ユニークなサービスを展開している
日本交通株式会社は一般的なタクシーやハイヤーサービスだけでなく、
- キッズタクシー
- 陣痛タクシー
- 観光タクシー
- お花見タクシー
- ニューノーマルタクシー
など、他のタクシー会社ではほとんど、もしくは全く見かけないサービスも展開しています。
また、「コロナ時代でも気軽に乗車できるタクシー」というテーマで、「ハイクオリティな空気清浄機を搭載したタクシーを使い、各所のお花見スポットを巡るプラン」なども用意しており、口コミも上々となっています。
さらには「新卒1000人採用計画」を打ち立てるなどして、特に「優れたホスピタリティ精神を有する人材」の確保に努めています。
日本交通株式会社からは、全体的に「幅広くにニーズを満たしていく」という気概を感じます。
稼ぎやすいと評判
「日本国内のタクシードライバー」という括りでの平均年収は350万円ほどであると言われています。しかし、日本交通株式会社のドライバーの平均年収はおよそ420万円となっています。
また、「とにかく稼ぐ」という方針で働いているドライバーの中には、年収が600万円以上に到達している人もいます。トップクラスともなると年収は800~1000万円となります。
なぜ、日本交通株式会社ではこれほどまでに稼ぎやすいのでしょうか。
その要因の一つに「歩合率が高い(60%)」ということがあります。「歩合と言われるとむしろ不安」という人も少なくないと思いますが、業界未経験から年収1000万円を突破している人もたくさんいます。
また、「初乗務から、月給30万円保証(3か月)」がありますので、全く経験がない人でも安心してタクシードライバーとして活動することが可能です。
乗客の確保のために工夫をこらし、実際に成功している
まず、日本交通株式会社は「無線配車」が多く、「無線により得られる乗客」が1日5件程度であると評判です。
さらに、
- 「全国タクシー」というタクシー配車アプリのユーザーが多い
- 日本交通株式会社系列のタクシーのみが利用できる「専用乗り場」が都内に45個ある
など、他のタクシー会社との差別化に成功していると言えます。
実際、「自分から乗客を確保しようとしなくても、乗客のほうから来てくれるので、高給を望まないのであればそれだけでも十分」という口コミもあります。
キャリアアップに関する選択肢が多い
日本交通株式会社は、「キャリアアップに関する選択肢がたくさんある」ということでも評判です。
具体的には、
- エキスパートドライバー(介護、観光専門)
- 高級車を扱うハイヤー乗務員
- 運行管理者
- 運行管理者
- 系列会社の役職者(営業所所長など)
などを目指すことができます。
また、個人タクシー運営者として独立する人もいますし、もちろん「タクシードライバーとして稼ぎ続ける」ということも可能です。
女性が働きやすい環境
男性が大半を占めるタクシー業界全体では珍しく、日本交通株式会社は女性ドライバーを積極的に採用しています。
実際のところ近年、タクシー業界全体に対して、「赤ちゃんがいるので女性ドライバーを選びたい」「自分が女性だから、女性の運転手がいい」という声も寄せられるようになってきているようです。
また、日本交通株式会社は
- 車両を女性同士のペアで利用できるようにする(ニオイ対策などとして)
- 営業所に女性用ロッカー室がある(着替え用)
- 育休明けは事務作業などの軽い仕事をしてから、だんだんと本格的に復帰できる
などの工夫もしています。
日本交通株式会社の悪い評判や口コミ
ここまで日本交通株式会社に関する良い評判・口コミを見てきましたが、悪評もかなり多くあります。
主なものを紹介していきましょう。
悪い評判・口コミ① 防犯パネルがない
多くのタクシー会社は、自社のタクシーに「防犯パネル」を設置しています。これは運転席に取り付ける板であり、このパネルがあることで、「乗客が、運転手に危害を加える」ということがしにくくなっています。
ですが、日本交通株式会社のタクシーには基本的にこの防犯パネルが設置されていません。そのためドライバーからは、「少し怖い」などと評判が悪くなっています。特に女性ドライバーの中には、不安を抱えたまま運転をしている人が少なくないようです。
実際、「タクシー運転手に対して良からぬことをしようとする人」は、どちらかというと女性ドライバーを狙う傾向にあると言われています。
そして、日本交通株式会社では、ドライバーに対して、「乗客に対して大きな声であいさつをすれば問題ない」という教育をしているという噂があります。「小学生に対する、『不審者にこそ大きな声であいさつするべき』という指導」に似ていると思いますが、懸念が残ると言わざるを得ないでしょう。
先ほど「日本交通株式会社は女性ドライバーを積極的に採用している」と解説しました。それは確かな事なのでしょう。しかし、「その女性ドライバーを保護する体制」はあまり整っていないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
悪い評判・口コミ② 前時代的な教育制度がある
日本交通株式会社に入社すると、まず養成所のようなところである「SKC」で講習を受けることになります。
このSKCは評価が比較的悪く、特に「点呼で名前を呼ばれたら、大声で返事をする必要があるが、全力で返事をしてもやり直しになることがある」という口コミが気になりました。
もちろん接客業である以上は最低限のマナーは欠かせませんが、タクシー運転手の場合、お客様に対して大声で接する場面はほとんどないはずです。
ちなみに地理試験をクリアしたり二種免許を取得したりしてからSKCを卒業すると、3か月間の試用期間に入ります。
悪い評判・口コミ③ 「本社移動」になると給料が下がる
日本交通株式会社は「ほどほど」に仕事をしていても、月給30万円くらいは獲得できます。しかし、本社に移動すると給料が大きくダウンする可能性が高いです。
そのため、「キャリアップ」と「給料アップ」の両立がしにくいという少し歪んだ環境になっていると言えます。
ただ、本社に移動できるのは「1年につき1営業所から1~2人」です。
また、移動基準もはっきりしておらず、成績上位ではないドライバーが選ばれることもあるようです。それから、「新卒入社の社員」でないと、本社に移動することはほとんどできません。
特にキャリアップをしたいと考えている「転職で入ってきた社員」の中には、この点に不満を覚える人も少なくないようです。
悪い評判・口コミ④ 「もっと仕事をしてほしい」と頼まれる場合がある
特に正社員になってからは、休日にも連絡がきて「当日欠席が発生したのでカバーしてほしい」などと言われることがあるようです。
また、先ほども触れた通り、日本交通株式会社ではのんびり働いていると月給30万円程度になる場合が多いです。しかし、どこかのタイミングで呼び出しを受けて、「もっと稼いでほしい」と頼まれるケースがあります。
「稼いでほしい」とはつまり「もっと働いてほしい」ということです。したがって、「マイペースで仕事をしたい」「一人暮らしなのでそれほどの高給は必要ない」などという人にとっては、対応に困ることでしょう。
もちろん建前としては「断るならそれでもいい」という事なのでしょうが、実際には「上の立場の人に頼まれると拒否しにくい」という声も見かけました。
悪い評判・口コミ⑤ 「営業所」ごとの差が大きい
営業所が多いタクシー会社にはありがちなことですが、日本交通株式会社も「営業所ごとの差が大きい」と言えます。
特に「人間関係」については、「アットホームで働きやすい」という口コミもあれば、「体育会系で上下関係が厳しく、気が休まらない」という声もあります。
あくまで本記事は「日本交通株式会社は推奨しない」というスタンスですが、もしも就職・転職を考えているのであれば、自分の地域の営業所の口コミ・評判をできる限り調べておくことをおすすめします。
日本交通株式会社はおすすめできない!
ここまで色々と解説してきましたが、結局のところ日本交通株式会社はおすすめできません。
様々なサービスを手掛けて乗客を確保していますし、新卒採用1000人計画・女性ドライバー積極採用、育休明けのサポートなど、色々と力を入れていることは確かです。
ですがやはり、
- 防犯パネルがない
- 理にかなっていない教育制度がある
- 本社移動で給与が下がる可能性が高い
- もっと仕事するように頼まれる場合がある
などのデメリットが大きすぎます。
もちろん、「日本交通株式会社のドライバーの中にも、労働環境や待遇に満足している方がたくさんいる」ということが口コミ・評判から分かります。
ですが、先ほどもお伝えした通り、「営業所による差が大きい」ため、期待すればするほど「自分の希望とのミスマッチ」に苦しむことになるかもしれません。
まとめ
日本交通株式会社の評判や口コミを紹介しました。一般利用者からは愛されているタクシー会社ですが、環境面・待遇面などに関する不安材料多いですから、ドライバーなどとして働くのはおすすめしません。
「高給を取りやすい」という魅力もありますが、「もっと長時間働くように」と頼まれる可能性もあります。
そのため、「特にマイペースで働いて、それなりに稼げればいい」という人には向かないでしょう。