美容皮膚科の求人を探す時に役立つ6つのチェックポイント

美容皮膚科の求人を探す時に役立つアイキャッチ

美容医療という言葉が浸透してきて、美容皮膚科クリニックも昨今では人気就職先となってきました。今や女性だけでなく男性も美容皮膚科に通う時代で、美容皮膚科の看護師さんの給料も平均的に高いようです。

また、「美」は看護師さんも含めた多くの女性の関心事です。現在は一般病院や総合病院で働いている看護師さんの中でも、美容皮膚科クリニックへの転職を望む人が増えています。

とはいえ、一般病院とは色々と違うところが多いので、「求人情報を見ても、それが良い求人なのかどうかが分かりにくい」という声もよく聞きます。

今回は、美容皮膚科への転職を考えている看護師さんに向けて、チェックすべきポイントについてご紹介します。転職先に美容皮膚科クリニックを候補として考えているみなさんは、ぜひとも参考にしてください。

目次

仕事の内容をチェック

仕事をイメージする看護師

美容皮膚科クリニックの看護師の仕事内容は多岐に渡ります。美容皮膚科クリニックに通う患者さんは、病気を治すためではなく、よりきれいになることをゴールとしているのです。

そのため、カウンセリングでは患者さんの悩みに応じた適切な診療計画の提案や、かかってくる費用の説明などが大切になります。また、患者さんが家庭でも使える美容機器や化粧品も販売します。

そして、実際に注射や点滴をはじめとして、いろいろな施術を担当することもあります。ここではもう少し詳しく、予備知識として美容皮膚科の看護師の仕事内容をチェックしておきましょう。

仕事内容は病院の規模による

一口に美容皮膚科クリニックと言っても、経営の規模や経営の手法は様々です。それにより、看護師さんの仕事内容は少しずつ変わってくることを、あらかじめ理解しておきましょう。

大手の美容皮膚科クリニックの場合、ドクターや看護師、エステティシャン・カウンセラー・受付など多様な役割のスタッフが在籍しています。

スタッフは、それぞれの持ち場の専門的な仕事を行うことがほとんどです。中規模の美容皮膚科クリニックは大手ほどの人員数は抱えていないですが、大手と同様にそれぞれが専門性を持つスタッフであることが傾向として増えています。

小規模の美容皮膚科クリニックであれば、在籍しているのはドクター、看護師さん、受付です。そこでは、看護師がカウンセラーも行いエステティシャンとしての仕事もこなすのです。

また、一般の皮膚科に美容皮膚科が併設されているケースがあります。この場合は規模の大きさによって、ドクター、看護師、受付以外にもカウンセラーやエステティシャンを抱えているケースもあります。

一口に美容皮膚科クリニックの看護師の仕事といっても、その範囲はクリニックの規模によって、それぞれ変わってくることを覚えておきましょう。

患者さんの悩みに寄り添う

患者さんは自分の肌に関して、何らかのコンプレックスや悩みを持ってクリニックを訪れます。そのため、どのようになりたいかという望みを確認したうえで、その患者さんにふさわしい診療プランを提案していくのです。たったひとつの悩みを解決するためにも複数の処置があり、費用も変わります。

治療とは別の選択肢で、ホームケア用品などを使ってより効果が期待できるケースもあります。美容皮膚科クリニックの治療はほとんどが自由診療であることから、どの治療法を選ぶかによっては高額な費用がかかることも珍しくありません。

患者さんが心から納得のうえで診療プランを選べるように、患者さんの希望に叶った治療法にはどんなものがあって、費用はどれくらいかかるのかを説明しなければならないのです。

また、美容注射によってどのような効果が期待できるのかなども分かりやすく説明し、患者さんの疑問を解消することも求められます。

患者さんのカウンセリング

美容皮膚科は一度だけ通ってそれで効果が出るものではなく、続けて通うことで効果が出てきます。美容皮膚科クリニックは患者さんの口コミが、患者さんの数に反映しやすいものです。そのため、また訪れたいと思ってもらえるような対応をすることが求められます。

前もって行うカウンセリングでは、患者さんの悩みに対してどのような診療方針で進むのがよいのかを説明し、契約をしてもらうことが治療開始の前提となります。美容皮膚科の施術は一般的な病気の治療とは異なり、必ず施さなければ健康状態が悪化するという類のものではありません。

また診療を受ける場合は、どこのクリニックや病院でも問題ないのです。前述のように、患者さんにとってここのクリニックで診療を受けようと思ってもらえる話し方や接し方が必要となります。

患者さんにはクリニックを訪れて受ける診療の内容について説明するだけでなく、家庭で使用するホームケア用品や化粧品の購入を勧める部分を、カウンセリング段階に導入することが多いようです。

患者さんに施術する

美容皮膚科クリニックでは、看護師さんが患者さんに多種多様な施術を行います。脱毛を望んでいる患者さんには脱毛レーザー機器を使用して、特定の部位や体全体の脱毛を行うのです。

肌の古くなった角質を取り除いて、肌のターンオーバー、つまり再生を促すことで肌の質をよりよくしていくことが目的である「ピーリング」を施すのも看護師さんの仕事です。

美肌を形成するのに必要不可欠とされているビタミンC、あるいはプラセンタなどは経口摂取してもなかなか有効成分が肌に到達しません。それを肌に効果的に浸透させるためには、微弱な電流を肌に流す「イオン導入器」を使用した方法で施術にあたるのも仕事の一つです。

美容皮膚科クリニックの看護師さんは、顔のたるみおよびシワなどの除去、美白あるいはアンチエイジングに効果が期待できるプラセンタ注射も担当します。

ほかにも、疲労回復注射として意味のあるビタミン注射やニンニク注射、肝機能改善のための注射、レーザー治療のための点滴なども、看護師さんが担当して行います。このような注射や点滴は、美容皮膚科クリニックの治療の中でも頻繁に行われるものです。看護師さんの仕事としてメインとなるものの一部です。

このような施術は、ただただ練習を繰り返すことによってのみ技術の向上につながるのです。同僚の顔などを使わせてもらって練習を繰り返します。何度も身につくまで練習を繰り返すクリニックも多いようです。閉院後に研修が行われることが多いので、残業になることもあります。

施術のやり方は、先輩の看護師さんから教えてもらうだけではありません。それらの機械を取り扱っている業者から直接教えてもらう場合もよくあります。機械の使い方だけではありません。どのような症状に対して効果が発揮できるのか、あるいは治療の成果が現れるまでの期間なども含めて教えてもらいます。

広告や冊子を制作する

皮膚科と美容皮膚科を併設しているクリニックでは、美容皮膚科クリニックの自由診療である部分に興味を持ってもらうことが望まれます。

訪れた患者さんに向けての、広告や冊子などを作ることもあるでしょう。治療の内容や効果、費用などを説明した広告を、看護師さんがパソコンで作成することを求められるケースもあります。

院内環境の整備

美容皮膚科クリニックには癒しを求めて訪れる人たちが多いです。看護師さんの仕事としては院内環境を整えて、できるだけリラックスして待ち時間を過ごせる環境づくりを行うことも大切となります。

院内を清潔にすることは当然として、アロマなどを使ったリラクゼーション効果を出したり、患者さんがクリニック側に悩みを相談しやすい雰囲気を作ったりすることも重要な仕事です。

美容皮膚科と美容外科の違い

美容医療を施す医療機関の代表的なものに「美容皮膚科」と「美容外科」の2種類があります。これらは違いがよくわからないという声もしばしば聞かれます。混同されがちなので、整理しておきましょう。

この2種類は医療内容の異なる機関です。美容外科クリニックは、メスを用いた外科手術によって「美容整形」を主として行います。よく聞くまぶたを二重にする手術や、豊胸手術などを扱っているのは美容外科です。

他にもたくさんの業務はありますが、美容外科クリニックの看護師さんは手術においての介助というメインの業務があり、そこが大きい特徴といえるでしょう。

一方、美容皮膚科クリニックは、基本的にはメスを使用しない美容医療を施す医療機関です。皮膚科の知識を活かして患者さんの皮膚のトラブルである、シミやシワや肌荒れなどに対して診療を行います。場合によってはレーザー照射を用いての脱毛という施術も行われます。美容点滴なども扱う範囲です。

美容皮膚科クリニックの看護師は、コラーゲン注射などをはじめとして、患者さんに注射をする機会がたくさんあり、その技術力が問われます。また、自由診療の部分が多いので、患者さんに対してはお客さんに対するように丁寧な対応が求められます。

美容皮膚科クリニックに関しては、人とのコミュニケーションが得意、あるいは楽しめたり大切にしたりできる人は、その持ち味を活かせる医療機関であるといってよいでしょう。

なお、美容皮膚科の仕事内容について、さらに深くお知りになりたいかたは下記の記事も参考にしてください!

関連記事:美容皮膚科に転職する前に知っておくべき主な6つの仕事内容とは?

雇用形態をチェック

美容クリニックに憧れる看護師

美容皮膚科クリニックの代表的な仕事内容や、美容外科との違いをチェックしたところで、ここからは美容皮膚科クリニックの求人情報を見るときのチェックポイントについて解説します。まずは、雇用形態から始めましょう。

美容皮膚科クリニックが募集している看護師さんの雇用形態は、入職するにあたってとても重要な部分です。なるべく多く収入を得たいと考えている看護師さんであれば、正規雇用、つまり正社員として採用をしてくれる美容皮膚科クリニックに入ることをおすすめします。

パートタイマーなどの非正規雇用は時間給なので、その折々の状況で月々の給料には違いが出てきます。正社員採用であれば、基本的に月給制度になり、安定した収入源となるのです。

研修期間中であっても、30万円以上の月給がもらえる美容皮膚科クリニックも存在します。入職してから慣れるまで期間の生活も、それなら安泰です。

また、美容皮膚科クリニックには非正規雇用のパートタイマーとして募集をかけているところもあります。パートタイマーとしての採用の場合は、自分の都合に合わせて正社員よりも少ない日数だけ働くこともできるのです。

看護師や准看護師の資格を持つ主婦のかたが、家計の足しにする目的で資格を活かして仕事を始めたいというケースにも向いています。かつて看護師をしていて、ブランクからの復帰を考える人たちにもおすすめです。

美容皮膚科クリニックは、少ない日数や勤務時間でもそれなりに収入が確保できることが多いので、家事のための体力も時間も、キープすることもできます。

未経験の可否や研修制度をチェック

未経験の看護師

好条件で勤めることができる美容皮膚科クリニックが多いのは事実ですが、その中でも高い給与条件が提示されている求人案件には、たくさんの応募者が集まります。

そういう場合は、美容医療の未経験者が採用してもらうことが難しくなります。美容医療の実践経験がない人の場合は、求人案件の詳細情報に「未経験でも可」「研修制度が充実」などの記載がされている美容皮膚科クリニックが選択肢として良好です。

美容皮膚科クリニックの数はとてもたくさんあり、クリニックごとに求める人材像が少しずつ異なります。経験者のみの募集と明記するところは少ないですが、未経験者も歓迎するという内容が明記されていない場合、おそらく即戦力を求めていると考えられるでしょう。

あるいは、未経験者を育てていく体制が整っていないケースもあるので、給与面の好条件などの惹かれる部分があっても、未経験者は採用されない可能性が高いと予想されます。

未経験でも働いて経験を積みながら、美容医療の看護師さんとしての必要なスキルや知識を身につけたいのであれば、研修制度の充実をアピールしているクリニックがねらい目です。

インセンティブの有無をチェック

ガッツポーズの看護師

美容皮膚科クリニックにはインセンティブ、つまり固定給とは別に成果に応じて報酬がもらえる報奨金制度を実施しているところがあります。インセンティブは、その看護師が患者さんに勧めたことで成立した契約件数や金額に応じて、給料に上乗せされるのです。

この仕組みは企業にはあっても一般病院にはないもので、美容医療ならではのものです。向上心が高い看護師さんや、収入をできるだけ高めたい看護師さんには持ってこいの制度だといえます。求人情報を見るときには、インセンティブの有無をチェックしましょう。

休暇に関する制度をチェック

パソコンを使う看護師

休暇がきちんと取れるのか、有給休暇があるのかのチェックも、美容皮膚科クリニックの求人情報を見るときにチェックしておきたい部分です。

週休2日制であるなら、具体的な内容もチェックしておきましょう。週休2日にもさまざまな形態があります。多くの場合シフト制を採用しているのです。シフト変更の融通が利きやすい職場は働きやすいと考えられます。

有給休暇などの、公休日以外の休暇に関する制度が充実しているかも重要です。有給休暇の取得率の高さをアピールする美容皮膚科クリニックであれば、実際に有給休暇を取りやすい雰囲気である可能性は高いといえるでしょう。

採用基準をチェック

微笑む看護師

採用基準について、少し触れておきましょう。インターネットで美容皮膚科クリニックのサイトを閲覧すれば、院内スタッフ紹介のページなどに若く美しい看護師さんたちの画像が並んでいます。

美容皮膚科クリニックを目指す看護師さんたちの中には、これらの画像を見て募集の採用基準に容姿が含まれるのかと思ってしまう人もいるでしょう。

また、一般病院の場合、看護師不足という現状の影響もあって、自分から退職しない限り仕事を続けることが可能です。しかし、美容皮膚科クリニックは年齢を重ねた看護師の採用や勤続に関して制限があるのではないかと心配される看護師さんもいるでしょう。

でも、安心してください。ほとんどの美容皮膚科クリニックの看護師採用基準として年齢や容姿を重んじていないようです。

実際に美容皮膚科クリニックを見てみると、20代~50代の幅広い年齢層の看護師さんが活躍しています。若い看護師しか働けないイメージの美容皮膚科クリニックですが、そんなことはない理由があるのです。

注射や点滴などの穿刺手技の的確さが求められたり、患者さんに寄り添うコミュニケーション能力が求められたりということを考えれば、むしろ経験豊富な30〜40代の看護師さんが多いことも理にかなっています。

あえてベテランの看護師を歓迎する美容皮膚科クリニックもあります。クリニックの性質上、患者さんの中には加齢による容姿の悩みを持つ年配の人たちも少なくありません。

同じ悩みを共有しあえる世代の看護師さんのほうが、患者さんの気持ちを汲み取り、安心感を与えることができるという考え方を持つ美容クリニックもたくさんあります。

このような背景から、美容皮膚科クリニックに勤めるにあたっては、年齢や容姿はとりたてて関係しないといえるでしょう。

美容皮膚科クリニックの採用にあたっては外見の美しさ以上に、明朗さや笑顔のよさ、親しみやすさなど内面から出る美しさを重視していると考えてよいでしょう。

まとめ

笑いかける看護師

美容皮膚科クリニックへの転職を検討している看護師さんのために、チェックすべきポイントについて解説しました。一般病院とはいろいろな面で異なる美容皮膚科ですが、基本が日勤であり給与面も平均的に良好なので、美に興味がある看護師さんなら転職先としてはとてもよい選択肢です。個々のクリニックによって仕事内容や条件面の違いもあるので、ここでの情報も参考にして、美容皮膚科への転職につなげてください。

なお、美容皮膚科への転職を検討されるなら、転職サイトに関する下記の記事も参考にしてください!

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