近年は過労死やハラスメントなど、ブラック企業による問題が社会全体の問題となっています。
「勤めている企業がブラック企業かも…」と思われている方は、実のところ少なくないでしょう。筆者である私も、かつてはブラック企業に勤めていた経験があります。パワハラなどのハラスメント行為や、残業代が出ないなどの被害を受けていました。
ブラック企業に勤めていた経験がある者として、一番伝えたいことは「ブラック企業で無理をして働かないこと」ということです。よく言われることですが、ブラック企業で働き続けると心身が病んでしまいます。本当にそのとおりだと思います。私も「会社に行くのがメチャクチャ辛い」と毎日、思っていました。
ただ、私の場合はブラック企業を上手に辞めることができ、ブラック企業を辞めてからは健全なビジネスマンとして働き続けることができています。
ここではブラック企業経験者による、ブラック企業を辞めてから転職するまでのスムーズな流れについてご紹介していきます。
最後までご覧いただければ、ブラック企業からホワイト企業へ転職するためのポイントを掴むことができるでしょう。
ブラック企業経験者が語るブラック企業の特徴5つ
ブラック企業経験者の視点を踏まえて、ブラック企業の特徴5つについて見ていきましょう。ブラック企業の特徴としてよく挙げられているものと、経験者による確かな視点を織り交ぜてご紹介していきます。
ブラック企業の特徴5つとして、「従業員の入れ替わりが激しい」「ハラスメント行為が横行している現場」「残業代が出ない」「休日も出勤させる」「精神論を振りかざす」ということが挙げられます。
従業員の入れ替わりが激しい
ブラック企業は離職率が高く、従業員の入れ替わりが激しいという特徴を持っています。
離職率が高ければ高いほど、職場に通い続けることが難しいということです。職場に通い続けることが難しいということは、それほど辛い職場ということになるでしょう。
ブラック企業経験者である筆者も、ブラック企業の特徴として従業員の入れ替わりが激しいということは、良く的を得ているなと強く思います。私が過去に勤めていた企業も、従業員の入れ替わりが激しく離職率は高かったです。
従業員の方が退職されるとき、私に言い放った「頑張ってくださいね」という言葉が今でも忘れられません。実際、毎日通い続けることが大変で、本当に辛い職場でした。
企業の離職率に関しても、要チェックだと言えるでしょう。
ハラスメント行為が横行している現場
パワハラやセクハラなどのハラスメント行為が日常茶飯事という場合は、ブラック企業である可能性が極めて高いです。
ご存知のとおり、パワハラとは職場における身体的な暴力や精神的な攻撃、仲間はずれなどのことを指します。その他にも業務における過度な要求や過小な要求などもパワハラとして挙げることができます。性的嫌がらせなどはセクハラに該当するでしょう。
筆者が勤めていたブラック企業は、怒号が普段から飛び交っている空気が張り詰めた職場でした。業務に関係のないことで怒鳴り声を上げたり、従業員に対して精神的ダメージを与えることが多い企業だったと思います。
ハラスメントが横行している現場は、本当に辛いものです。仕事のモチベーションに関わるため、ハラスメント被害に遭うことは避けたいですよね。
残業代が出ない
残業代が出ない、いわゆる「みなし残業(サービス残業)」があることも、ブラック企業の特徴としてよく見られます。長時間残業をしたとしても、その分の賃金が払われることがありません。
そのため、どれだけ残業をしても残業が出ないので、働き損になってしまうでしょう。
筆者が勤めていた企業は、みなし残業と併せて「企業の管理者に本日作業したことを報告しなければ帰れない」という企業でした。
報告するにも揚げ足を取られたり説教されたりなど、なかなか会社から帰ることができませんでした。もちろん、その分の残業代も支払われることはありません。
残業代を支払うということは、労働者に対して企業が行う義務と言えるのではないでしょうか。
休日も出勤させる
ブラック企業は従業員に対して、休日も働いてもらおうとすることがあります。また、休日が異常に少なかったり有給がとれない企業もブラック企業だと言えるでしょう。
有給が取れないということは違法でもあります。労働基準法で、雇入れ日から全労働日の8割以上を出勤した労働者に対して、企業は有給休暇を与えなければならないと定められているのです。
有給休暇は義務であるため、有給休暇を与えない企業は違法なブラック企業だと言えるでしょう。
精神論を振りかざす
「頑張ってないから成果が出ないのだ」というように、どんなに頑張っても成果が出なければ精神論を振りかざしてくる企業も、ブラック企業である可能性が高いです。
精神論は聞こえは良いため、精神的攻撃には見えません。そのため、パワハラだと判断しづらいでしょう。しかし、言われている方からすると精神的ダメージが大きい場合があります。
ブラック企業を辞めてから転職するまでのスムーズな流れ
ブラック企業の特徴についてご紹介してきましたが、もしかしたらあなたが勤めている企業にも当てはまるところがあったのではないでしょうか?もうすでに退職を決意している方もいらっしゃるかもしれません。
ここからはブラック企業経験者である筆者が、実際にどのように企業を退職し、転職活動をしていったのかについてご紹介していきます。
1ヶ月前に退職表明する
企業から退職するということは、さまざまな不安があると思います。その上、ブラック企業となると「何かされるかもしれない」「上司から引き止められるかもしれない」などの心配事が浮かんでくるでしょう。
ブラック企業をやめるためには、まず「退職表明」をしましょう。企業を辞めるという意思をしっかりと伝えるのです。
退職表明は、退職したい日の1ヶ月前に行うことが大切です。いきなり退職することはできないことと、2ヶ月以上前に退職表明をしてしまうと、企業から返事を濁されたりする恐れがあるからです。退職表明をするときは上司と二人で行います。
上司から引き止められても「辞めます」と、こちらの強固たる意思を示しましょう。少しでも迷ってしまうと、相手のペースにハマってしまいます。
また、退職理由を聞かれたときは嘘でも「やりたいことがある」というようなポジティブな理由にしましょう。円満退職ができるかどうかが左右されてくるからです。
「絶対に辞める」という強い意思が、とにかく重要だと言えるでしょう。
退職願・退職届を書く
退職表明ができたら退職願・退職届を書きましょう。退職願とは、企業に対して退職を願い出るものです。退職願が受理されない場合は、企業に対して一方的に退職を宣言するものである退職届を出しましょう。
引継ぎと挨拶回りをしっかりと行う
退職をする前に引継ぎをしっかりと行いましょう。引継ぎとは、自分が退職することによって空いてしまう穴を塞ぐことです。ブラック企業といえど社会人のマナーとして、引継ぎはしっかりと行いましょう。
また、退職日が決まったら挨拶回りを行いましょう。挨拶回りをすることによって、円満退職できるかどうかが左右されてきます。
リクナビなどの転職サイトでホワイト企業に応募する
ブラック企業を退職したら、もしくは退職前にリクナビなどの転職サイトで次の職場を探しましょう。これまでご紹介したブラック企業の特徴を踏まえ、求人を見ていきます。
ブラック企業の見分け方としては、ほかには「給与が高すぎたり低すぎる」「アットホームという抽象的な言葉ばかり使っている」「常に募集をかけている」などがあります。アットホームという言葉を使っている企業は実績がなく、アピールできるものがない企業だということです。また、常に募集をかけているということは離職率が高く、従業員の入れ替わりが激しいブラック企業である可能性が高いです。
そのため、ホワイト企業を見分けられるようにならなければなりません。ホワイト企業の特徴としては、「社会保険がある」「福利厚生が充実」「従業員が働きやすい環境が整っている」「スキルを評価してくれる」という特徴があります。
自分自身の経験も踏まえ、ホワイト企業を見極めていくことが大切です。まずは、転職サイトに登録してみましょう。
まとめ
ホワイト企業には大企業や中小企業などは関係ないため、視野を広く持つことが大切です。あなたもブラック企業で無理をすることなく、積極的に転職活動をしていきましょう!